セラミックスによるオーバレイ修復の症例
セラミックスによるオーバレイ修復の症例
左上の奥歯に穴が空いているとの主訴で来院された患者さまの症例です。
拝見すると、左上5番の遠心にう蝕が確認できました。う蝕はかなり大きく、う蝕を取り除いて保存できる歯質の量を確認しないと、最終的な修復物の種類について相談ができないほどの状態でした。
患者さまのご希望
- なるべく長持ちして歯に優しい材料で治療したい
- 可能なら削る量を少なくしたい
とのことで、自費治療をご希望されました。
大まかな流れをご説明させていただき、初期治療を行い再度治療方針の相談を行うこととしました。
虫歯の除去
応急処置で充填したセメントを取り除き、う蝕に感染した歯質を、う蝕検知液を使用しながら注意深く取り除いていきます。
う蝕の除去が終了した状態です。窩洞は歯髄に近接しており、術後に神経症状が生じる可能性がありました。レジン充填を行い、経過観察と治療方針の相談を行いました。
今回の症例では、外側の歯質が残っていますが、中をくり抜くような窩洞形態となり、レジン充填のみで治療を終了すると、将来的に破折のリスクが高い状態でした。
神経の治療を行った失活歯と同様に、咬頭被覆(咬合面を覆うこと)を行うことで、破折リスクを低くする治療法が望ましいとされています。
このような状態の歯に対して選択される治療方法は、歯の周りを全周削ってクラウン(全部被覆冠)にすることが主でした。現在は、歯科材料の歯質への接着力が向上し、健康な歯をできるだけ保存できる、歯質削除量を抑えた治療方法が可能となりました。「オーバーレイ」と呼ばれる治療法です。
う蝕(むし歯)が大程度の場合 → オーバーレイ修復治療
咬合力によって歯が破折するメカニズム
外側の歯質が保存されていても、内側をくり抜いたような状態は大変危険です。咬合力が加わると、充填物や修復物がさらに押し込まれるような状態になり、くさび効果が働きます。つまり、薪割りのような力が働き、残存歯質が破折する可能性が高くなります。
オーバーレイ治療による修復は、咬頭被覆(咬合力を面で受け止め、破折リスクを軽減する ※図の緑部分)を行うことで破折リスクを低くすることができます。
また、クラウンによる治療と比較して歯質の削除量を最小限に抑え、健康な歯を残すことにつながります。
オーバーレイはアンレーとクラウンの中間に位置する治療方法と捉えていただくと理解しやすいです。
オーバーレイ(修復物)の製作
治療完了
完成したオーバーレイ(修復物)を装着し、咬み合わせを調整して治療完了となりました。
| 年齢/性別 | 40代 女性 |
|---|---|
| 治療期間 | 2ヵ月 |
| 治療回数 | 3回(カウンセリング1回、治療1回) |
| 治療費 | 自費診察料 8,800円 3回 e.max オーバレイ 121,000円(税込) |
| リスクなど | ・過度な咬合力が加わると破折、脱離のリスクがあります。 ・知覚過敏等の神経症状が生じる可能性があります。 |













