小児矯正でインビザライン・ファーストでしか出来ない治療とは
投稿日:2025年6月17日
カテゴリ:矯正ブログ
こんにちは、巣鴨S歯科矯正歯科です。
前回のブログで「痛み・違和感を抑えて結果を出す小児矯正=小児用インビザライン」について書かせていただきました。
痛み・違和感を抑えて結果を出す小児矯正=小児用インビザライン
そこではお伝えしきれなかった、小児用インビザライン=インビザライン・ファーストを
矯正専門の歯科医師から見て、画期的だと思うポイントをお話していきます。
矯正専門の歯科医師の目線で画期的なポイントは
①混合歯列期に上下の歯列を整えることが出来る
②これから生えてくる歯のサイズを考えて生え変わりで歯並びが悪くなる(*)のを防ぐことが出来る(*八重歯など)
③歯を後ろに動かす治療が出来る
①混合歯列期に上下の歯列を整えることが出来る
生え変わりが進んで、子供の歯並びが気になる頃に多く見られるタイプが、
前歯にガタガタがあり、少し出っ歯のタイプ
上の前歯のガタガタは下顎の成長をじゃまする可能性がある為、まずは上の前歯はきれいに並べていく必要があります。
その為には、上の前歯が並ぶ場所が必要です。
なので、治療の順番としては、
①上顎を広げる
上顎の内側に拡大装置を装着し、上の前歯4本が並ぶスペースを作るためです。
↓
②上の前歯にブラケットをつけ、ワイヤーで並べる
↓
③機能的矯正装置
夜寝る時に使う装置です。下顎の成長を誘導し、骨格から出っ歯を改善しく目的があります。
しかし、この最初に使う上顎を広げる装置を下顎に装着させることは安全上避けたいところです。
舌の内側には大きな血管が通っているため、装着時の操作で器具が滑り傷つけてしまう可能性があります。
『下顎は幅を広げることが難しい→下の前歯は混合歯列期では直接的には並べない、上の歯列が広がると下の歯列も抑え込むものから解放され自然と並ぶ場所が出来るため、ガタガタが和らぐことに期待する』
という流れになります。
それが、インビザライン・ファーストであれば、マウスピースによって広げつつ並べることが可能になり、下顎の歯列も小児矯正できれいに並べることが出来ます。
顎が小さい子は下の前歯がガタガタしていることが非常に多いですが、
小児期は顎の成長をコントロールすることが目的なため、安全を考慮して、
見た目が気になるところだけど、「今はその時期じゃないから」と待つしかなかったところが、
治療が可能になり大変喜ばれています。
②生え変わりで歯並びが悪くなるのを防ぐことが出来る
インビザライン・ファーストではわざと隙間を作って終わることがあります。
後から生えてくる大人の歯が大きいことが予測されるところでは、
生え変わりの際に、ガタガタを作らずに生え変わりを進めるためです。
ここに関しては、インビザライン・ファーストだからこそ出来ることです。
永久歯列の治療を格段に優しくしてくれるポイントでもあり、
将来の抜歯の可能性を格段に下げてくれるポイントでもあります。
③歯を後ろに動かす治療が出来る
まず、出っ歯の原因には大きく分けて
・下顎の成長が十分でない為に、出っ歯になってしまっている
・奥歯の位置にズレはないが、上の前歯が唇側に傾いていて、出っ歯になってしまっている
・上の奥歯が前にズレてしまっていて、上顎が全体的に前にある為に、出っ歯になってしまっている
「下顎の成長が十分でない」「上の前歯が唇側に傾いている」に関しては①でお話した通り、従来通りのスタンダードな治療の中で改善していけるものです。
しかし、「上の奥歯が前にズレている」場合には治療方針が変わり、
上の奥歯を後ろに移動させる治療=上顎大臼歯遠心移動が必要になります。
上の奥歯を後ろに移動させるには、従来ヘッドギアを使う必要がありました。
ヘッドギアはお家にいる時間1日10時間を目安にヘッドギアという装置でお口の外から奥歯に力をかけていきます
寝る時もこのままです。
一方、インビザライン・ファーストではマウスピースの設計を工夫することにより、
マウスピースをするだけでヘッドギアをすることなく、上顎大臼歯の遠心移動が可能になります。
奥歯が前に寄ってきてしまっている場合については、診断が非常に重要になります
本来は後ろに持っていく治療をすべきところ、ガタガタに気を取られて、ただ幅を広げてしまうと
歯並びが良い出っ歯ができてしまったり、
口ゴボと言われる、上下顎とも前に出たような口元が出来上がってしまうことがあります。
そのため、後ろに持っていく治療というのが非常に重要になりますが、
今までは、ヘッドギアを使用するしかなかったため、歯科医師も嫌厭し、小児矯正治療はせずに
「中学生くらいになって大人の歯が生えそろってから歯を抜いて矯正をしましょう」と言われることが多いものでした。
矯正専門の歯科医師からすると
とても小児矯正の治療方法として、大変利点の多い装置です。
「インビザライン・ファーストの適応症例であれば」という点に注意が必要です。
矯正治療の治療方針、装置の決定は、矯正治療前の検査によって決定するものです。
マウスピースでは治療が難しい場合ももちろんありますので、
是非一度、矯正専門の歯科医師に(**)ご相談いただくのがよろしかと思います。
(**インビザライン・ファーストは矯正専門の歯科医師しか治療を提供できない装置です)
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