当院の矯正の抜歯は痛みと負担を矯正医の技術で軽減させています
投稿日:2022年10月5日
カテゴリ:矯正ブログ
こんにちは、巣鴨S歯科矯正歯科の矯正担当医です。
矯正の初診相談にいらっしゃる患者さんには、
毎回最後に必ず「ご質問や気になることはないですか?」と伺います。
そうすると、よく聞かれる質問が
「抜歯は痛くないですか?」
痛みはお子さんの矯正治療でも大人の方の矯正治療でも一番気になるところだと思います。
遠慮なく聞いてください。
そして答えは、
「当院では、”矯正治療の効率”と、”抜歯の際の負担を減らすこと”の両方を可能にするように治療計画を組んでいます」
です。
1.矯正ではどうしても抜歯が必要なこともあります。
矯正では、歯を並べるために、
そして1つのお口として考えた時に、全体としてしっかりと噛めるかみ合わせを作るために
便宜抜歯を行うことがあります。
私も歯医者なので好き好んで歯を抜いているという訳ではありません。
治療方針を立てる際には抜歯の判断を下すのは、結構、悩みます。
よろしければ下記ブログに詳しく書いていますので、ご覧ください。
「矯正の為に歯を抜く」理由、一生自分の歯で噛めるために
https://www.sugamo-s-shika.com/hcerq6/
抜く歯はそこじゃない! 矯正便宜抜歯の部位選択
//www.sugamo-s-shika.com/uvpz8/
2.患者さんも抜歯するドクターもwin winな矯正の治療計画とは
「患者さんも抜歯するドクターもwin winな矯正の治療計画」と小タイトル付けましたが、
実際は、
「患者さんも抜歯するドクターも矯正医もwin win winな治療計画」です!
他院でよくある流れとして、矯正治療の診断が終わると、
『では、次回装置を付けますのでそれまでに抜歯しておいてください』
(「一般歯科医院に月1回矯正医が来るようなクリニックでは、それまでに一般歯科の先生の方で抜歯」
「矯正歯科単独での開業医の場合は、次回受診までにかかりつけの歯科医院で抜歯をしてもらっておく」
この2パターンが多くみられます)
「おっ!いきなり抜歯からですか」と、心の声が出そうな展開ですね。
インプラントアンカーを採用する治療方針の場合には、その前にインプラントアンカーを打つこともあるでしょう。
当院でも、インプラントアンカーを採用した場合には、治療の初回、または2回目でインプラントアンカーの埋入を行います。
インプラントアンカーは、入れてしまえば意外と気にならない装置だからです。
出っ歯、ガタガタ、難しい治療も可能にする!インプラントアンカーとはどういう装置?
当院の治療計画の場合、抜歯の前に歯を動かします。
ワイヤー矯正でも、マウスピース矯正(インビザライン)でも、まずは歯を動かします。
3-1.ワイヤー矯正の抜歯までの流れ
一般的な流れとして、
まずは、犬歯から後ろの歯に、抜く歯を含めて部分的に装置=ブラケットをつけてワイヤーを通します。
1~3ヶ月程度かけて、細いくて丸いワイヤーから徐々にサイズアップさせていきます。
つまり、抜く歯も一度動かします。
期間は、もともとの歯並びの状態によって1~3ヶ月程度のことが多いです。
そして、事前準備として十分動かしたところで抜歯へという流れになります。
3-2.マウスピース矯正(インビザライン)抜歯までの流れ
こちらはまず、
治療計画を立てる段階で、初めの数枚は抜く歯も含めて動かすように設計し、
抜くタイミングの指示をデザイナーに出し、
マウスピースを作成します。
そして、初めの数枚はアタッチメントもつけない状態でマウスピースを開始、
数枚進んだところで、アタッチメント装着
そして、抜歯へという流れになります。
4.当院治療計画では歯には何が起きて、どんなメリットが
歯は顎の骨に植わっています。
しかし直接、顎の骨とくっついている訳ではなく、その間に歯根膜と呼ばれる軟組織があります。
歯根膜はクッションの役目をしています。
歯根膜は「膜(まく)」という名前ですが、細いじん帯のような繊維状の組織で、
通常は歯根と骨の間にピンっと引き締まっています。
ここで、歯に装置をつけて歯を動かすと、
歯根膜が緩みます。
そうすると、無理に力をかけずに済み、ドクター側は歯が抜きやすく
患者さんは、押されたり、引っ張られたりの負担も少なく、
そして麻酔の注射薬も通常の量よりも少なく済むことが多くみられます。
(物理的な動きは予想できましたが、院長の抜歯を見ていて
麻酔の注射薬の量も減らすことが出来たのはうれしい発見でした)
そして、この事前に動かすことによる矯正にとってのwinについてですが
歯を抜歯すると歯列弓に並ぶ歯が減るので、
歯列弓が狭くなる方向へ歯が動いてしまう傾向があります
歯並びの悪い方は、もともと歯列弓が狭くなっている方が多いので、
更に狭くなってしまうと…
・せっかく抜歯をしたのに、歯が並びきらなくなってしまう
・横の噛みあわせが反対になってしまう
・お口の内側は舌を置く場所でもあるので、舌の置く場所を狭めてしまうことになる
(=睡眠時無呼吸症のある患者さんの矯正治療では、この点を懸念して抜歯をしない治療方針を考えます)
このような最悪の事態が起こらないように、
抜歯をする前に、歯列を整えることができるのです。
抜歯をした後には、すき間を閉じていきますが、
ワイヤーの動きを阻害する、ガタガタがある程度ほどけている状態になっていることが多く
まさに、win win winな治療計画ではないかと実感しています。
5.デメリットは?
その分治療期間が延びたりするのでは?と思われるかもしれません。
正直、崩れてしまった歯列弓を途中で立て直す方が、よっぽど大変で
治療の期間が延長してしまいます。
先を見越した治療計画をしっかりと立て、事前に対処している結果、抜歯にも利点があった!
に過ぎません。
歯並びは気になっているけど、矯正って自分でも出来るのかなと思っていらっしゃる方が多いと思います。
矯正治療に関するお悩み、ご不明点を専門知識を持った矯正医に聞いてみたいと思われましたら、
いつでも巣鴨S歯科矯正歯科へご相談ください。
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